設計デザイン: - スタジオ・ベルナ -
中庭を有する平家建ての園として計画しました。建物の中心に据えられた中庭の周囲には幅の広い(約2.7m)「回廊」を設けました。園内に「行き止り」が無く、回廊により「回遊」できるプランです。この回廊は教室の延長部分として、又は子供たちが遊びまわる場所などとしても有効に使えることと思います。
低い軒に囲まれた中庭は子供たちが安心して遊べる空間であると共に、建物の内部に、ふんだんな日光と心地良い風を導き入れる役割も果たしています。冷暖房などの空調設備も十全に計画していますが、自然のエネルギーも最大限利用して快適に過ごせる環境としています。
建物の外観は周囲の景色や環境に馴染むよう、瓦屋根を頂く明治大正期の和風と洋風の特徴を併せ持ち、どこか懐かしく、落着いた雰囲気の温もりの感じられる外観としました。
構造についても、大規模な建築物としては一般的ですが、無機質な感じがしてしまう「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨造」を避け、有機的な「木造」としました。
室内も各所に木を使用し、木造の持つ安心感や、温かみが感じられる空間となっています。特に講堂の大空間は、柱、梁や屋根などを構成する木造の架構をそのまま見ることが出来る、楽しい空間です。(木造としていますが、防耐火性能に関しても建築基準法に適法となる、準耐火建築物として計画されています。また、耐震性についても現行の耐震基準を満たした設計となっています。)
冷暖房の計画においては、一年を通して快適に過ごせるよう、局所的で急激な冷暖房方式を避け、全館を一体的に緩やかに空調できる計画としました。全館空調としている為、教室などの居室だけでなく、回廊部分やトイレなども寒暖の差が無く園全体を快適に過ごせます。断熱についても十全に計画しています。
子供達が楽しく、安全に、快適に過ごせる園となることを第一に計画しました。